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ウッドピタ地震コラム

2016年11月24日

耐震診断で、木造住宅の耐震性を数値化する!

こんにちは。
株式会社ピタコラム ウッドピタ事業本部企画担当の後藤孝子です。
気象庁のデータによると、熊本地震で発生した震度1以上の地震は10月末現在で累計4123回、震度5弱以上は24回を数えます。2回の震度7が被害を大きくした主原因ですが、まだ続く余震も木造住宅にさらなるダメージを与えているのではないかと心配です。
また、鳥取県中部の地震でも、内閣府の発表で全壊、半壊、一部破損を含めた住家被害が8918件(消防庁情報:11月2日現在)に拡大しています。
私たちが住んでいる家も、経年劣化や構造の問題が潜んでいて、地震の揺れに耐えられないかもしれません。地震が起きる前に、耐震診断でわが家の耐震性をぜひ確認しておきましょう。
……ということで、今回は、耐震診断の結果からわかる木造住宅の重要ポイントを数値で確認していきます。




目次:

↓ 耐震診断の数字は嘘をつかない!

↓ 耐震診断で分かること①:耐震性に大きく影響する「壁の量と強さ」

↓ 耐震診断で分かること②:「建物のバランス」が悪いと地震の揺れで家がねじれる?!

↓ 評点でわが家の耐震強度を判断する!

↓ 耐震診断で、木造住宅の耐震性を数値化する!・まとめ




耐震診断の数字は嘘をつかない!


耐震診断の目的は、耐震性の確認耐震補強の必要性の確認です。
では、それはどういう形で見ることができるのでしょうか。
耐震診断を受けると、診断を担当した診断士から「耐震診断書」が渡されます。報告書であり、わが家のカルテのようなものですね。
その耐震診断書をパラパラとめくっていくと、あちらこちらに数字があふれています。この数字の正体がわかってくると、わが家の状態がどの程度なのかが見えてきます。



※木造住宅の耐震診断書の見方については、以前にこの地震コラムでもご紹介していますので、ぜひそちらご覧ください。


耐震診断書の見方を知っていると、わが家の弱点がよく分かる!



■木造住宅の耐震性に関する評価の記載例

木造住宅の耐震性に関する評価の記載例

注目すべきは「評点」(上部構造評点)です。この評点で建物の耐震性を総合的に判断します。ではこの数字は木造住宅のどの部分から導き出されたのでしょうか。




耐震診断で分かること①耐震性に大きく影響する「壁の量と強さ」


■木造住宅の耐震性に関する評価の記載例

木造住宅の耐震性に関する評価の記載例

※数値が大きいほど量があり、強い。



木造住宅の耐震診断で特に重要とされるポイントは、「壁の量」と「壁の強さ」です!
地震の力に抵抗するのは壁です。木造住宅には、筋交い等を施してその住宅を支える耐力壁があり、その量が地震に対する強度に大きく関わってきます。イメージ的には、家の中に開口部が多いと壁の量が少なくなり、耐震性が低くなる……といった感じでしょうか。
ご自宅の構造を見てください。襖(ふすま)などの間仕切りが多くありませんか? リビングや吹き抜けなど、広い空間がありませんか? 窓の数が多くありませんか?
耐震診断では「どこに」「どれだけ」「どんな」壁があるのかを調査し、その建物が持つ壁の耐力を割り出します。




■図①:耐震診断結果 1階平面図
図①:耐震診断結果 1階平面図


■図②:耐震診断結果 壁の耐力
図②:耐震診断結果 壁の耐力

※数値が大きいほど強い。





耐震診断で分かること②「建物のバランス」が悪いと地震の揺れで家がねじれる?!



■木造住宅の耐震性に関する評価の記載例
木造住宅の耐震性に関する評価の記載例

※1.000ならバランスがとれている



もう一つ、木造住宅では「建物のバランス(壁の配置)」も重要なポイントです。
目には見えませんが、建物には重心剛心という2つの中心点があります。



■図①:耐震診断結果 1階平面図
図①:耐震診断結果 1階平面図

重心:建物の重さの中心。正方形の建物なら真ん中が重心となるが、正方形ではない場合が多い。
剛心:建物の強さの中心。建物に外力がかかった時に、建物が回転しようとする軸になる。



重心と剛心が離れていると、建物のバランスが悪くなります。
バランスの悪さは壁の配置が偏っているためで、地震の時に「建物がねじれる」という現象が生じ、倒壊の危険性を高めてしまいます。ここでも壁が重要になってきますね!
バランスがどれくらい偏っているかを示す数値として偏心率があります(計算方法は複雑なので割愛します)。2000年(平成12年)の建築基準法改正で、木造住宅の偏心率は「0.3以下」と規定されました。ちなみに、上の図では偏心率がX方向で0.294、Y方向で0.088となっています。木造住宅の耐震診断では偏心率が「0.15以下」ならバランスがとれていると判断されるので、この住宅の1階の場合は、X方向に壁の配置の偏り(北側に壁が多く、南側に窓が多い)があることが分かります。



■木造住宅の偏心率の目安
偏心率 0~ 0.15~ 0.3~
耐震性 非常に良い 一般的 非常に悪い



評点でわが家の耐震強度を判断する!



耐震診断では、「壁の量」「壁の仕様(強さ)」「壁の配置」に加え、
●地盤…………軟弱地盤かどうか
●基礎…………基礎の仕様、鉄筋があるか無いか
●接合金物……応力に見合う金物設置であるか
●建物形状……どのような建物形状か
●建物劣化……どの程度の劣化度であるか
など、建物のさまざまな項目から「保有耐力」「必要耐力」を計算し、評点を割り出します。



■木造住宅の耐震性に関する評価の記載例
木造住宅の耐震性に関する評価の記載例

評点保有耐力÷必要耐力

保有耐力:建物が保有している外力(地震力等)に抵抗する力。壁量が大きく影響する。
必要耐力:震度6強程度の地震力がかかった時に、建物が倒壊しないよう抵抗するのに必要な力。



この建物の1階で考えると、評点は下記のようになります。
X方向 保有耐力20.288÷必要耐力52.095=評点0.389
Y方向 保有耐力35.197÷必要耐力52.095=評点0.675
耐震診断の総合評価には、危険性を重視して一番低い数値を取り上げます。この建物では1階X方向が一番低いので、総合評価0.389となり、判定は0.7未満の「倒壊する可能性が高い」になってしまします!



■評点による判定
0.7未満 0.7~1.0未満 1.0~1.5未満 1.5以上
倒壊する可能性が高い 倒壊する可能性がある 一応倒壊しない 倒壊しない
安全の度合い



耐震診断で、木造住宅の耐震性を数値化する!・まとめ



壁一つとっても、耐震診断による調査と計算でいろいろなことがわかってきましたね。
木造住宅の現在の状況を数値で客観的に評価する耐震診断。
耐震診断書の評点が基準値の「1.0」以上の木造住宅はひと安心、ここで一応終了です。(だからと言って、「絶対に大丈夫」とは言えないところが耐震の難しいところですが…)
基準値未満の木造住宅は、耐震化に向けて次のステップへと進みましょう。
耐震補強のプランは、耐震診断で得た評価をもとに、
どの部分にどういう補強をしたら効果的なのかを考えて組み立てます。
次回はその耐震補強のポイントをご説明していきたいと思います。




株式会社ピタコラム ウッドピタ事業本部
企画担当 後藤孝子

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