ウッドピタの地震防災コラム

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耐震診断2018年10月26日

建築年度でなぜ耐震強度に違いが出るのか

耐震診断と耐震補強で地震に強い家をつくる

北海道胆振東部地震から1ヶ月が経ちました。
政府は、2018年9月28日の閣議で、北海道胆振東部地震を激甚災害に指定することを決定。
北海道は総額878億円の復旧・復興対策をまとめ、
強い揺れで大きな被害が出た厚真、安平、むかわの3町で仮設住宅の建設が始まりました。
厳しい冬が訪れる前に、被災地の暮らしが少しでも落ちつくことを祈るばかりです。

さて、今回のコラムでは、建物の建築年度と耐震強度の関係性について考えてみたいと思います。
いつ、どこで発生するか分からない大地震。
自分の家が揺れに耐え得る強度を備えているのか。
重要なキーワード「耐震基準」の観点から検証してみましょう。



目次:

↓ 地震に対する強さの目安 旧耐震基準と新耐震基準とは?

↓ わが家は大丈夫? 建築年数で耐震基準を調べよう

↓ 耐震診断と耐震補強で地震に強い家をつくる

↓ 建築年度でなぜ耐震強度に違いが出るのか・まとめ



地震に対する強さの目安 旧耐震基準と新耐震基準とは?



地震に対する建物の強さを示すひとつの尺度が耐震基準です。
耐震基準には「旧耐震基準」と「新耐震基準」があります。
そもそも旧耐震基準は、関東大震災の被害を受けて1950年(昭和25年)に制定された基準。
その後、大地震が発生する度に、耐震基準の性能検証と見直しが繰り返されてきました。
例えば、1968年の十勝沖地震を受けた1971年の改正では、
マンション内の鉄筋コンクリートの柱部をより強固なものにすることが義務に。
また同年の改正では、1964年の新潟地震での液状化現象を受け、
木造建築も基礎部分をコンクリートにすることが義務付けられました。
そして、1978年の宮城県沖地震を受けて、1981年(昭和56年)に新耐震基準の制定。
新耐震基準になってからも1995年の阪神淡路大震災を経て2000年の改正の他、
2004年の新潟中越地震を経て2005年にも改正が繰り返されています。


筋交い・構造用合板の役割
  旧耐震基準 新耐震基準
震度5強程度の中規模地震 倒壊しない 軽微なひび割れ程度にとどめる
震度6強から震度7に達する大規模地震 規定なし 倒壊・崩壊しない


今回のコラムタイトル『建築年度でなぜ耐震強度に違いが出るのか』の答えは、
建築年度によって、その建物に適用されている耐震基準が異なるから』というわけです。
ここで皆さんが気になるのは、自分の家が新耐震基準を満たしているかどうかですよね。
次は新耐震基準の物件を見分けるポイントをご紹介します。




わが家は大丈夫? 建築年数で耐震基準を調べよう


新耐震基準の物件かどうかを見分ける方法は2つあります。

物件を新耐震基準か見分ける方法その1
建築確認済証の交付日を確認する

まず確認したいのは、その物件の「建築確認済証」の交付日です。
建築確認済証とは、建築計画が法の規定に違反していないかチェックを受け、
問題がないと認められた場合に市町村から交付される文書です。
新耐震基準が制定されたのが1981年6月1日。
なので、建築認定証の交付日がこれ以降の日付であれば
その建物は新耐震基準で建てられたと言えるのです。
ここで注意すべきは、建物が完成した「竣工年」ではないということ。
マンションなどの大規模建設は、完成まで比較的長い時間がかかります。
例えば1982年に完成したマンションでも、
建築確認済証の交付日は1981年6月1日より前だったという場合もあるのです。
不動産会社や各自治体を通してしっかりと確認しておきましょう。

物件を新耐震基準か見分ける方法その2
木造住宅は2000年が節目

もしあなたの家が木造住宅の場合
建築確認済証の交付日が2000年6月1日以降であるかを確認してみてください。
木造建築物の耐震基準は1995年の阪神淡路大震災での被害を受け、
2000年に改正されています。
この改正では、新築時の地盤調査が義務化された他、耐力壁をバランスよく配置することや筋交いや柱を留める金具の種類を明確化することなどが定められました。
つまり木造住宅であれば、2000年以降の建物だとより安心できるというわけです。




耐震診断と耐震補強で地震に強い家をつくる


とはいえ建築確認済証を見るだけでは、その建物の本当の強さは分かりません。
建物の使い方や増改築の有無、周辺環境によっても老朽化の進行は異なります。
旧耐震基準の家はもちろん、新耐震基準であっても
一度きちんと耐震診断を受けてみることが大切です。

耐震診断でのチェックポイント

壁
壁……………量、仕様(強さ)、配置
地盤
地盤…………軟弱地盤かどうか
基礎
基礎…………基礎の仕様、鉄筋があるか無いか
接合金物
接合金物……応力に見合う金物設置であるか
建物形状
建物形状……どのような建物形状か
建物劣化
建物劣化……どの程度の劣化度であるか

これら建物のさまざまな項目から「保有耐力」「必要耐力」を計算し、評点を割り出します。
耐震診断の結果、必要耐力を有していないと分かれば、
耐力壁を増やしたり、屋根材や接合金物を取り替えたりして耐震補強を行います。
大きな地震が起こる前に。早め早めの診断・補強を心掛けましょう。




建築年度でなぜ耐震強度に違いが出るのか・まとめ


以上、耐震年度によって耐震強度が違う理由を耐震基準の観点からご説明してきました。
耐震基準の変遷や、新耐震基準の建物の見分け方など理解できましたでしょうか。
さいごにひとつ付け加えておきたいのは、新耐震基準を満たしてさえいれば絶対に安心、
というわけではないということです。想定外の自然災害はいつだって起こりえます
念には念を入れて、耐震診断と耐震補強を行い、
災害リスクを最小限に抑えるための対策を続けることがなによりも大切です。

私たちウッドピタは住宅耐震化のプロとして、少しでも皆様のお力になれるよう
今後も有意義な情報発信を心掛けていきます。
なにかご相談がありましたら、お気軽にお声がけください。



株式会社ピタコラム ウッドピタ事業本部
企画担当 後藤孝子